まじょよったりはひがしより

◆1話 ◆

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沼の魔女

 
WC  沼沿いに、森の北側入り口にむかう、と。

平太  うん いいよー。一応、夕顔を気にしつつで。

サヤ  はい。

WC  さて、夕顔は、まだ七分咲きです。時間が少し早いからでしょうか。

平太  ぱっと見、花の数は変わらない?

WC  ぱっと見渡す限りでは変化はありませんね。
では、そのまま森入り口の、北側で。
昼なお暗い、『おーい、市役所なにやってんだー』という森が。遠くから、森の木々を越えて、高速道路を通る車の騒音が聞こえてきます。

平太  人の通れるような道はある?

WC  『散策用』の小道が用意されています。というか、でなければ森の『入り口』と呼ばんです。

平太  でも、手入れがされていなければ、道はあまり道っぽくないんじゃない? 枝とか落ちてて。

サヤ  二人で並んで歩けるくらい?

WC  幅1mちょっと位でしょうか。肩が触れ合うのを気にしなければ楽勝。気にしたらかなり狭い、です。
足元は、当然手入れされてませんので、そこそこは歩きにくいでしょう。

平太  人が住んでいそうな所を探しながらいきます。道に沿っていけば南下するよね?

WC  とりあえず、森に入ってしばらくは一本道。高速のほうに向かう道です。しばらく歩くと、正面と左手に道が分かれます。

平太  人が最近通ってるかどうかって、判定してわかりそう?

サヤ  私は、怪異の気配があるか?判定したい。

WC
  どぞ。クレバネスで。
怪異の気配はわんこ頼り。かなり曖昧になりますが、フィールでどぞ。

平太  最後のDギャンブル☆9+クレバネス。3+2=5です。

WC  うーん…へーたには、足下に人の通った跡があるかどうかは、わからんですね。

サヤ  とりあえずやってみよ。Aノーマル☆5で、4+8=12です。

WC  わんこは、くんくんと周囲を嗅いでいますが…少し首をかしげたあと、「なにもないか」と、振り向きます。

平太  さきに真っ直ぐいこうか?

サヤ  そですね。OKです。

平太  じゃあ、そのまま真っ直ぐで。

WC  では、森の奥へ?

平太  うん。

WC  日が暮れはじめているためか、周囲の確認が難しくなってきます。

平太  一応ライトをつけておこう。

サヤ  りょうかい。

WC  さて、覚えておいでか知らないが、この森、1km四方もあります。
森の中のことで、何m進んだのかも定かではないが、おおよそ500mも歩いたか、と思われるころ。

サヤ  リキに人間の匂いも探してもらった方がいいですかね? 見つけられるかわからないけども。

WC  ちょっとした広場に出ます。 
 
サヤ  …何か発生しそうなので、とりあえず様子見で。

平太  人の住んでいる気配はありそうなのかな?

WC  半径10m程度のいびつな円形に、木々が開けており、その先、ひときわ大きな木の根元に、ダンボールで組み立てられたほったて小屋が、ぽつん、と。

平太  「お!」

サヤ  「し〜。」

WC  空は既に群青に染まり、高速を車が走る鈍い音が遠く。

サヤ  「誰かいるかな〜?」

平太  「ちょっと、聞いてくるね。」
小屋に近づきます。

WC  ほったて小屋は、子供の身長。へーたの鳩尾くらいまでの高さしかない。

サヤ  「いちおう、気をつけてね。」

平太  「あいよー。」

WC  光の具合か、中は影につつまれ、遠くから覗き込むことはできない。
近づいても、入り口の小ささゆえか、ライトの光は中を照らさない。

平太  「こんちはー…こんばんは、か?」

WC  返事はない。

平太  腰をかがめて、中をのぞき込むよ。
「すいませーん!」

サヤ  背中は警戒しておくね〜。

WC  敷地面積、というのだろうか。ほったて小屋の建っている面積は、良いところ3畳分程度の正方形。
入り口と思しき穴は、その壁の一面、その中央に、70cm四方程度に切り取られている。
ライトの光は、正面の壁を映すが、中に蟠る闇の全ては払えない。

平太  人のいる気配もない? 音とか… 

WC  フィールで。

平太  @ケアフル☆0。

WC  ケアフルかよー!

サヤ  堅実ですね!

WC  老いたよ。彼は。守りに入ってる。

平太  0バーストで6+5=11。…なにか問題でも?

サヤ  かっこい〜。

平太  このシステムに、守りもなにもないじゃん(笑)。

WC  そうだね。耳を澄ますが、物音、といえるような物音は聞こえない。…聞き逃した、のではなく。

サヤ  気配は?

WC  だれ視点?

サヤ  へーたんで。

WC  もともと、気配というのは、空気の動き・臭い・物音の総称である。空気の動きは、夏の初め、湿気の多い今にそれを計るのは難しい。

平太  ちなみに生活している様子はある?

WC  生活の様子は、ある。

平太  じゃあ、そのうち戻ってくるのかな?
 「待ってみる? なんか留守みたい。」

サヤ  「そっかぁ。じゃ待ってみよ。」

WC  さて、最大でどのくらい待つ?

平太  じゃあ、30分ぐらい。

WC  静かに待ってみるが、家主の帰る気配はない。

平太  「だめだね、かえろっか。」

WC  既に時間は夜といって良いだろう。

サヤ  私くらいのサイズなら中?入れそう?

WC  入れる。

平太  他人の家だからな〜…

WC  「お邪魔します」って言えば。

サヤ  すごいびみょ〜だけど…。

平太  俺だったらやだな。

サヤ  いろんな意味で。

平太  あれだ!耐震装置を組み込むという名目有名な詐欺の手法。で!

WC  消火器の設置とか?!

平太  屋根をはずそう。

サヤ  屋根はずしちゃうんだ!?

平太  そそ。危ないから。

サヤ  それいいかも。

WC  身分証明書を提示しろ。

サヤ  学生証?

WC  紙くずだー!

平太  いや、消防署の方からきましたやはり詐欺の手法。

WC  詐欺師だー!
「ばあちゃん、おれ、おれ、これも詐欺の手法。おれ、おれ、しょうぼうしょのものなんだけどさー。」

平太  絶対違う。

サヤ  あとでもとどおり、いや、以前よりも頑丈にさせていただきます!

WC  どうやってだー!

サヤ  あ〜、ガムテープは持ってこなかったな〜。

平太  (笑)。

WC  夏休みの工作か。

平太  とりあえず、他の道行ってみる?

WC  火でもつけてから。

サヤ  どこに!? どこに火?

WC  君の胸に聞け。

サヤ  んじゃ、とにかく進みますか。

WC  さて、この広場、いくつかの道の交差点に当たるらしく、来た道のほかに、2本の道が。
 ダンボールハウスを背にして、左手が来た道。で、正面、右手に、2筋の道が伸びている。

サヤ  行ってないほうで、どっちの方が暗いとかある?

WC  ないね。殆ど同じ。あー、なんぼか、なんぼ−か、真ん中真ん中は森の中央部に向かう道である。当然、やや暗い。が暗い。当たり前だが。

平太  高速側にいく?

WC  それ背後。道はないよ。…森かき分ける?

平太  じゃあ、右か。

WC  それが、南側の森の出口向き。今、ダンボールハウスは、東を向いているわけだね。

サヤ  帰るならそっちですね。

WC  何かを待ち受けるように、月が、ゆっくりと木々の隙間から姿を現す。

サヤ  どうしよっかな。再度フィールでしらべるか。

WC  なにを?

平太  リキ、まだ田口の臭い覚えているかな?

WC  おお。CDの。

平太  そそ。

サヤ  忘れてた!!

平太  その臭いがここに残っているか。

サヤ  そうだ。それあったね〜。失礼しました。調べよ調べよ。

WC  では、いつもので。

サヤ  Cケアフル☆0で。7がでたけど5+8=13。

WC  リキは、ダンボールハウスをくんくんと嗅ぎまわっている。時折首をかしげながら、あちこちを。繰り返し。 
しかし、最後には、「気になるんだが、どうにも納得できない」といった顔で、サヤの元に帰ってくる。

サヤ  ん〜〜。

平太  「なーんだ、だめか…」

WC  みっくみくにしてやんよー(着信音)!

サヤ  びっくり。

平太  「お!なんだ?…もしもし?」

文彦  「うーっす。指数カンスー。」

平太  「まだ指数関数かよ。」

文彦 「今だいじょぶ?」

平太  「うん。だいじょうぶだよ。」

文彦 「おまえさ、なんか、やーさんとかとトラブル起こしたりした?」

平太 「なんじゃそら! おれは健全な高校生だぜ。」

文彦 「んー、違うなら良いんだけどさ…」

平太  「なに、やーさんが俺を探してるの?」

文彦 「今日、放課後にな、なんての、たこやきっつか、食道楽みたいな…こう、道頓堀でタイガースが踊ってる感じの…」

八代 「平太?」

平太  「なに?」

八代 「ごめんね。」

平太  「はい?」

八代 「文が馬鹿なこといって。」

平太  「八代?」

八代 「うん。」

平太  「いや、何がなんだかわからんのだが…」

八代 「今日ね、放課後に、関西弁の若い男性が、学校であなたのこと聞きまわってたのよ。」

平太  「ほー…」

八代 「心当たり、ある?」

平太  「全くないな…年齢はどれくらい?」

八代 「そうね、あまり自信はないけど、20代後半、かしら。…スーツ着てたわ。おしゃれな感じの。」

平太  「ふーん…なんだろな…タイガースからのスカウトか?」

八代 「タイガースからのスカウトって、『そいつに、でかい犬連れた美人の知り合いおる?』とか言うのかしら?」

平太  「いわんいわん……そんなにやばそうだった?」

八代 「どう見ても、真面目な会社員、て感じには見えなかった。」

平太  「…了解、ありがと。気にしておいてみるわ。」

八代 「何かやったの?」

平太  「いや、ほんと心当たり無い。うん。俺の野球魂に誓ってそいつ知らん。」

八代 「いいけど。相談、してよね。」

平太  「心配かけてわるかったな。」

文彦 「ですよー。でないと、やしろん、さびしくなって、泣いちゃうモン!」

WC  ガッ!

文彦 「ぎゃあ!」

WC  つー…つー…

平太  「…かかと落としか?」

サヤ  「どうかした?」

平太  「…んー…なんか、俺とさやねぇを探し回ってる、スーツの男がいるみたいだな…」

サヤ  「なにそれ?」

平太  「心当たりは無いけど、俺とさやねぇの共通点って…」

サヤ  「私とへーたんって事は、この件関係かな?」

平太  「かもね…まあ、実際まったく心当たりがない。」

サヤ  「私も。春さんにも聞いてみるから、何となくの特徴教えて。」

平太  「関西弁をしゃべる、かっこいいスーツの男で、年齢は20代後半ぐらいだって。」

サヤ  「関西弁!?そっかぁ。親戚にもいなかったと思うし。」

平太  「探しているみたいだから、そのうち接触してくるかもね。」

サヤ  「そうね。とりあえず今日は帰った方がいいのかな。」

平太  「んだね〜、時間がねーよ…休みの日に調べた方がいいのか?」

サヤ  「う〜ん。すぐ暗くなって視界悪くなっちゃうしね。」

平太  「かえろっか。」

サヤ  「うん。」

WC  どゆふうに?

サヤ  南口の方へ向かう、でいいのかな。

平太  うん、いいよー。

WC  では、足元に気をつけて森を抜けます。道中、特に異常はなかったですね。
 
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