虚空の翼

◆2話 ◆

うつつにうつるはまぼろしの
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吐月館
 
【書庫】

WC  書庫は、サルーンと続きの部屋になっており、ホテルのツインルーム程度の広さがあります。
多少天井が高いのは、館の特性でしょう。 蔵書は、科学、芸術、文学、歴史と多岐にわたりますが、整理はされているようです。

サヤ  ほー。本を探すのは判定なのかな?

WC  何の本を探すかで難易度は上下します。先にそちらの宣言をどうぞ。

サヤ  この辺の歴史とか、吐月家に関するもの。クレバネスで…10。

WC  『郷土史』レベルの本はすぐ見つかります。ですが、吐月に関する本はないですね。 
郷土史の中にも、特に吐月館に言及した項は見つけられません。
してみると、この吐月家は、「地元の名士」と言う立場ではなかったのでしょう。その程度のことは推測できます。

サヤ  戦争とかでは被害なさそう?

WC  この地域は、空襲を免れているようです。

サヤ  ですよね。

WC  太平洋側からの連合軍の上陸に備えて砦の建築を行うため、鉄の供出を行った際も、この近辺はそこまでの強行的な搾取にならなかったようです。
もしかしたら、当時から吐月家の影響力は強かったのかもしれません。

サヤ  とりあえず、ご飯まで私は郷土史とか読んでるよ〜。

平太  じゃあ、途中で合流かな。
 「ふー…これといって何も無いね。さやねぇは何か見つけた?」

サヤ  「ううん。こっちも特には。郷土史とか見ても別にこの館のことは出てこないし。」

平太  「じゃあ、おれもおもしろそうな本でも探すかな。」
単純に、「魔女」というタンゴで探してみる。

WC  判定するまでもなく、「魔女」がタイトルにはいる本はいくらでもあります。
ただ、その殆どが、へーたがそれを知るかはともかく、海外の有名な著作です。

平太  「おー…」
 じゃあ、「4人」か「5人」関係で。

WC  では判定どうぞ。

平太  じゃあ、さっきの宣言通りで。クレバネス… バースト!&ファンブル! 判定のサイコロで、マトリクスに☆の付いた目が出た場合、サイコロをもう一度振って結果を加算できるのが『バースト』。
やはり判定のサイコロで、マトリクスに×の付いた目が出た場合、その結果が自動的に失敗になってしまうのが『ファンブル』。
平太は、『バースト』を発生させ、サイコロをもう一度振ることができたというのに、そこで『ファンブル』を出してしまった。


WC  見つかりません。求めているものは。

サヤ  え〜〜。

平太  じゃあ、やる気出すよ。「 不屈のやるき 消費することでサイコロを振り直したりできる『やる気ポイント』、平太のそれは『不屈ポイント』と呼ばれる。 !」で、バーストを振らなかった事にしました。

サヤ  おー。

平太  15+2=17クレバネス(1クレバネス=1万円)。

WC  求めているものは「ない」ことがしっかりはっきり明確にわかりました。

サヤ  が〜ん。

平太  おー…やる気が空回りした…じゃあ、魔女関係の日本語の本を。
童話っぽいのないかな? 物語というか。

WC  中世の魔女裁判をテーマにした本や、異端審問をテーマにしたものが主流です。
小川未明の童話が、お望みのものに近いですが。

平太  「なんか、魔女関連の本が多いね…。」

WC  普通です。多く見えるのは シンクロ二シティ現象 人物Aがある物事Bを強く意識するとき、Aの周囲で偶然に起きる物事が、偶然のレベルを超えてBと関連づけられるようになる現象をシンクロニシティと言う。
Aにとっては、『運命』を意識させる偶然が積み重なっているかのように感じるが、これは、AがBを意識することによって、外界にある情報のうち、Aに関連づけられやすい情報を無意識的に取捨選択しているだけであると考えることもできる。
です。心理学的な錯覚に過ぎません。

平太  「普通にあるねー。」

サヤ  書庫の量から見たら普通ってこと? だよね。

平太  じゃあ、その童話っぽいのを読みます。

WC  読みました。特に得るものはありません。深読みはいくらでもできますが。

平太  じゃあ、一番多そうな本のジャンルは?

WC  特に感じませんね。そういう偏りは。まあ、子供向けが少ない、とか、高そうな装丁の本が多い、とかはありますが。

平太  学術関係とか…宗教関係とかもあまりなし?

WC  サブカル的な「宗教の本」なら、存在しません。 ヴェーダや正法眼蔵 『ヴェーダ』はインドの古典で、神に捧げられた賛歌集。
『正法眼蔵』は、仏教曹洞宗の禅問答集とその注釈書。
を宗教の本と言うなら、たくさんあります。
最近の出版物も結構ありますね。

サヤ  古い本が多い? 新しいものが多い?

WC  初版は旧くても、最新の版が置かれている本もありますし、一概には…

サヤ  ん〜ていうか、本自体が新しそうかどうかってこと。

WC  本自体は古びていないです。

平太  みんなの本がここに集まってるのかな? ここに住んでいる人たちに著書とかある?

WC  住人の多くが何らかの著名人ですから、ビジネス書やエッセイの一本も書いているかもしれませんが、ココにはないですね。

サヤ  ちなみに、本棚動かないよね? 隠し階段とかないよね?

WC  調べてどうぞ。

サヤ  「う〜ん。う〜ん。」

WC  調べ方を宣言した上で、クレバネスかフィールで判定を。

サヤ  押してみたり。引いてみたり。

WC  そういう体当たりなら、フィールでどうぞ。

平太  「何してるの?」

サヤ  「いや、何かしかけとか、隠し部屋への入り口とかないかな?って。」

平太  「じゃあ、おれも探そっと。」

WC  ていうか、他人の家でなにしてんだ。

サヤ  いや、だってやりたくなるじゃん。

WC  わかるけど。ロマンだけど。

平太  隠し部屋とは行かないまでも、なにか隠しがあるかもかも。

WC  隠し戸棚とか。隠し金庫とか。当主のへそくりとか。

サヤ  うんうん。

平太  そそ。

サヤ  フィールで、17。

平太  フィールで、12。

WC  ないですねえ。

平太  「ないな。」

サヤ  「何もなさそ〜だね。」

平太  「だねー…」

WC  書庫の、廊下側の戸がこんこんと音を立てます。

平太  「あ、はい?」

WC  かちゃりとドアが開き、共由が顔を覗かせます。

共由  「こちらでしたか。お部屋の準備ができました。お荷物を置いてください。」

サヤ  「あ、ありがとうございます♪」

平太  「お客さんはまだいるんですか?」

共由  「ええ。今日も、ずいぶんかかっていますね…仕方ありません。お役人仕事ですから。」

平太  「そかー。」 

 
WC  2人はそのまま1階に案内される。そして、東側の客間の前に通され…

共由  「川原さんはこちら、大門君はあちらです。」

サヤ  「はい、リキおいで〜。」

リキ  「ばうぉん!」

サヤ  「リュック下ろそうね。」

共由  「中の物はご自由にお使いください。夕食は、こちらで召し上がりますか?」

平太  「バラバラで食べるのは寂しいね。」

サヤ  「そだね。」

共由  「せっかくのお客様ですし。よろしければ、食堂で家人と食卓を囲んでいただきますが。」

サヤ  「皆さんがよろしければ、私たちはその方が。」

平太  「お邪魔でなければ。」

共由  「では、時間になりましたらお呼びします。」

平太  「はい、お願いします。」

共由  「何かあれば厨房までお願いしますね。」

サヤ  「わかりました。」

WC  と、去ってゆく。書庫で1時間半は探し物していたと思うので、今は6時前。 

 
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