虚空の翼

◆2話 ◆

うつつにうつるはまぼろしの
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吐月館
 
サヤ  今、何時?

WC  そろそろ11時になりますか。

平太  「つかれたから寝よう。」

WC  りりりりり…と、虫の声が静かです。

サヤ  「私はれーさんに電話してみてから、寝るね。明日繋がるかもわかんないから。」

平太  「俺はすぐ寝るよ、明日、何時に出る?」

偽サヤ  「2時はどうだろう。」

サヤ  誰??

平太  この中に偽物がいる!

偽サヤ 「丑三つ時って言うし。」

平太  理由になってないし。 

偽サヤ 「あんたでしょ!この泥棒猫!」 

サヤ  「あんたこそ!!」

平太  お昼の2時かよ! 

偽サヤ 「へーた君ならわかるよね!」

平太  きみ偽物。 

偽サヤ 「胸の大きい私が本物よ!」

サヤ  かっちーん。











平太
  (しばらくお待ちください。)










 
サヤ  じゃ部屋戻ったら、れーさんに電話してみる。

  「はい、室伏ですー。」

サヤ  「あー夜分にすみません。川原です。」

  「はいこんばんわ。」

サヤ  「えっと、色々あって、さっきやっと鍵もらった所なんですけど。」

  「なんやかかりましたなー。まあ、しゃあないとこですやろ。」

サヤ  「れーさんて3人兄弟なんですか?」

  「いや、5人やけど。」

サヤ  「多いな〜。」

  「にーちゃん2人にねーちゃんと妹や。」

サヤ  「5人の魔女の話って、どこから出てきたんですか?」

  「5人の魔女? ああ、長月館でっか。
ううん…実は、噂に近いねん。郵便屋やら何やら、こまっかく、そこに出入りしてた人間洗ってな。
5人住んどる、ちゅう報告あがったねん。なんや、気になることでも?」

サヤ  「ここの人たち、みんな誰が住んでいたのかも知らないみたいですね。
で、室伏さんの次男坊が立川の事件の事当主に伝えたって聞いたんで。社長さん?なんですよね?」

  「ああ、兄貴やね。GRS八王子支部の支部長。ちゅうか社長。」

サヤ  「GRSと吐月家って関わり深いんですか?」

  「ううん…ちょお違うなあ。
吐月は、日本を裏から動かしてきた力のひとつなんよ。それは、室伏も同じや。 
…まあ、うちの方が力も規模もぷっぷくぷーなんやけど。で、まあ、仕事場がかち合うこともあってな。面識もある、ちゅうわけやねん。」

サヤ  「よくわかんないんですけど、吐月館と長月館って同じように建てられているそうなんですが、その割に吐月の人たちは、長月館のこと全く知らないんですよ。 
何も関係ないとは思えなくて。れーさん何か知りません?」

  「へえ。そうなん? なんでやろ。俺が知りたいくらいやー。
ねえさんあんじょう調べてきてえな。 こう、コナン君ばりに。期待しとるで。」

サヤ  「う〜ん。わかりました。」

  「ちゅうかね。ほんま、へいきやった? なんや、やらかしてへん? 
室伏とか、吐月がプッとやればパッと飛ぶんやけど。」

サヤ  「多分、大丈夫だと思いますが。  皆さんとても親切にしてくださいます。
ご好意に甘えて今日も泊めていただいちゃいましたけど。まずかったですか?」

  「ゆうても、相手は吐月やろ。キホン、人を人とも思うてへん連中やしね。慎重にな。」

サヤ  「はい、わかりました。 長電話しちゃってすみませんでした。」

  「いえいえー。頼んだでー。」

WC  ぷ。

サヤ  んじゃ、寝よっと。

平太  「じゃあ、携帯アラームを7時にセット。」

サヤ  私もケータイを7時に。

WC  吐月館のベッドはとても高級で。 館の内と外に潜む闇に溶けるように、ベッドに沈み込んだ2人は。 きっと昼間、ずいぶん歩き回ったからだと。 
そんなことを思いながら、吸い込まれるように眠りに落ちます。
 
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