虚空の翼

◆2話 ◆

うつつにうつるはまぼろしの
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長月館
 
【長月館】

WC  と、話しているうちに下りと上りを経て、長月館の前に着きます。 
曇天の長月館は、むしろ落ち着いた風情に見えますが…。

サヤ  じゃ、鍵開けますか。

平太  うん、お願いします。

サヤ  ガチャガチャ。

WC  玄関のファサードを上がり、扉についた鍵穴を探ると…少し砂っぽい感覚とともに、鍵は回ります。 かちゃり。

サヤ  で、ドアも開けますよ。

平太  おけー。

WC  玄関を開くと、薄暗いホールだ。 
曇天の光では、入り口の周囲も判然としない。

平太  かいちゅうでんと。

WC  の、ビームに切り裂かれた闇から、見覚えのある作りの階段と吹き抜けが顔を覗かせる。 
調度品や、カーテンなどの色調はずいぶん違うが、吐月館と同じ作りであることは間違いなさそうだ。 
ただ、床はうっすらと埃の層を湛え、静謐が周囲を支配している。見渡す限り、破損した窓や調度品、ドアなどは見当たらない。 
ちなみに、館に踏み込んだ時点で、礼の言っていたとおり、「なんもかんも怪異がかり」に近い状態です。 
漠然としたフィール判定で「気配を探る」「なにかない?」は不可能です。

平太  「争いの痕メインで探す? 食堂とか行ってみる?」

サヤ  「そだね。とりあえず、近い所覗いてみますか?」

平太  じゃあ、応接側を回って、大食堂へ。

WC  とはいえ、本当に「吐月館と同じ作り」かどうかはまだわかりません。 
目的地ではなく手の届く範囲の探索をお願いします。

平太  じゃあ、右手へ。

WC  右手のドアを開きます。

サヤ  ちょいまち。

WC  はい。

サヤ  玄関ホールから見えるドアの位置、階段の位置は一緒でOK?

WC  はい。OKです。ドアは左右に二つ。階段は吹き抜けに沿って2階に上がっているようです。

サヤ  OK確認しました。じゃ、右のドア。

WC  ドアの先は、吐月館と同じような廊下になっています。

平太  どうせじゃ、端から見ていこうか。 
 
WC  向って左手に廊下が伸びています。
廊下の向きに体を向けて、右手側の壁、しばらく先に大きな鉄扉。 
左手の先に吐月館食堂の扉に似た大きな両開きの扉。 
右手の鉄扉の先には小さなドアがいくつか並んでいるようです。

平太  正面が応接かどうか調べる?

サヤ  そうですね。1個1個確認する方がよさそう。

平太  じゃあ、廊下を進んで、最初の右手ドアを開けるよ。

WC  開きませんね。鍵がかかっているようです。 
…ふと違和感を感じます。

平太  違和感の原因チェックしてみようか? フィール?

WC  追及したい人は、むしろクレバネスでお願いします。違和感は、記憶との齟齬なのです。

平太  おけ。

サヤ  私もやりたい。

平太  ノーマル。6クレバネス。

WC  阿呆のへーたは首を傾げるばかり。

サヤ  ケアフル。0だしちゃった。クレバネス6です。

WC  ということで、鉄扉の前で2人しばし首をかしげる。

平太  まあ、先に進むしかないね。

サヤ  主婦ポイント使おうかな。

平太  いや、先に進めばわかるかもよ。鍵を開ければわかるかもしれないし。 
…たとえば、吐月と長月が左右反対の建物で、その違和感だとしたら、先に進めばわかるはず。

サヤ  うむむ。そですね。確かに。では先に進んでみよう。

平太  じゃあ、廊下を先へ。右手に曲がり角があれば、まあ、似た感じになるんじゃない。

サヤ  そですね。

WC  まずは、鉄扉のすぐとなりに、小さめの鉄の扉が。

平太  と、これで吐月とは違うってことだね。

サヤ  そうですね。とりあえず開けますか?

WC  やはり開きませんね。

平太  さらに進もう。

WC  右手の壁は、ここから少し先に上品な木の扉が。 
ただし、そのちょっと手前の左手に、大きな両開きの扉が。

平太  客間と同じ感じ? 上品な木の扉は。

WC  そうですね。良く似ているように思えます。

平太  先に左手の大きい扉を開けてみる?

サヤ  そですね。食堂かどうか。開くかわかんないですけど。

平太  うん。じゃあ、左手を扉を開けてみる。

WC  ききぃときしんだ音をたて、扉は開きます。

サヤ  辺りの様子をチェック。

WC  ライトの光に照らされるのは、布がかけられた大きなテーブル。長く、使われている形跡はない。
床にはうっすらとほこりが積もっている。部屋は広く、確かに吐月館の大食堂と同じくらいの広さはある。

サヤ  テーブルは一つだけだよね。いすの数は?

WC  テーブルにつくように置かれている椅子は一つもないが、壁際に30を超える数が積まれている。

サヤ  そうなの? バラバラになってるの?

WC  いえ、規則正しく片付けられている印象です。
ただ、多少乱れてはいます。 これは年月のなせる業でしょう。主婦の目から見て。

平太  香炉は、全部部屋を見てからがいいよね。

サヤ  お香6つですよね…。悩みますね。
部屋見てからの方がいいと思いますけど。

平太  争いの形跡もないと…

WC  それが何を指すのかわかりません。へーたくんにとって、「争いの形跡」とは、ズバリ!?

平太  いや、魔女とかが争ったなら、わかりやすい争いの跡があると思っている。

WC  例えば?

平太  家具が壊れたりとか…

WC  ない。

平太  大きい傷があったりとか…

WC  ない。

平太  とりあえず、各部屋でその点を注目してみます。あからさまにわかりやすい事だけどね。

WC  OK。では、ショートカット「争いの形跡」を登録しました。

サヤ  あのさ、主婦の目から見て、ここは食堂と考えられる?

WC  主婦とな?…うむ、主婦か。フィール判定を目標値10で。

サヤ  おうよ。

平太  男らしい(笑)

サヤ  ノーマル。6が出て、フィール14。

WC  サヤの主婦感覚は、「ここは食堂ね。 みのさん 言わずと知れた主婦のカリスマ「みの・もんた」である。 が言うとおり。」と囁いた。

サヤ  みのさんが「食堂とは?」を語るとは思えないが(笑)。

WC  広い部屋の向かいの壁に、入り口と同じような大きな扉がある。 その他の通路はないようだ。

平太  もどって廊下進もう。

サヤ  そですね。

WC  右手の壁には、等間隔に3つの扉。左手には扉はもうない。

サヤ  突当たりは廊下?

WC  突き当たりまでは距離があるため、暗くて確認できない。

平太  右手の扉を、手前から開けてみよう。開いたら調べる、開かないなら次へ。

WC  ドアは抵抗なく開く。

サヤ  お〜。

平太  ハンドパワー 一世を風靡したエンターテイナー「Mr.マリック」の決め台詞。
手品と超能力の融合のようなエンターテインメントが売りで、彼がトリックを決めた際に発する「ハンドパワーです。」の台詞は非常に印象深いものだった。ちなみに、彼は、そのスタイルとして必ずサングラスを着用していた。
です。

WC  間違っちゃいない。眼力で開けられるもんなら開けてみろ。

サヤ  さんぐらすさんぐらす。

平太  真っ暗になってみえないよ(笑)。 じゃあ、入りますか。

サヤ  はい。

WC  自分たちが泊った部屋と同じような間取りの部屋に見える。
ドアの正面にある仕切りの反対側にまで回り込めば、確かに同じ間取りとわかる。
…が、再び違和感が。

平太  いわかんちぇーっく。ノーマルで。

サヤ  クレバネス?

WC  今回はフィールでも良いぞう。目標値14。

平太  クレバネス9で無理。

サヤ  じゃ、フィールで。ノーマルで、フィール16。

WC  サヤは、昨日の通りにベッドのほうに行こうとして躓く。

サヤ  「あれ?」

平太  「なになに?」

WC  右手と左手が反対? 仕切りが、右手の壁にくっついている。
暗い中を普通に歩こうとして、テーブルに躓いたようだ。

サヤ  「んとね、テーブル。仕切りが吐月館と逆側についてる。」

平太  「ほー…というと? 昨日泊まった部屋とは違うと。」

サヤ  「うん。」

WC  たいした違いではないとも思えるが。

平太  「隣はどうかな?」

WC  やはり吐月と逆。隣の部屋と同じ作りだね。

サヤ  左右逆転みたいだね。さっき言ってた通り。

平太  そだね、あとは進んでいけばわかるかな。

▼長月館 予想図

WC  では、一つ北の部屋の扉を開ける。 中はやはり同じ客間、同じ古び具合。 
この部屋の戸を開ける前、廊下の行き止まりがT字路になっていることも確認できた。

サヤ  うむ。

平太  「となると、この左手が使用人室になるのかな?」

サヤ  「吐月館と一緒ならね。」

WC  正面、つまり、吐月なら裏庭に面する壁には、板で打ち付けられた窓があり、廊下は薄暗い。 
板の目張りの隙間から、かすかに日の光が入っている。

平太  一応懐中電灯は出してあるので、足下を確認しながら進もう。
とりあえず、1F探索でいいよね? 
左に進んで、手前の扉から開けていこっか?

サヤ  右はT字路のところで確認できます?

WC  ライトの明かりに、少し進んだ距離にある木製の扉が確認できる。 
共由が「裏庭に出る扉です」と説明していたものに似ている。

平太  開けておく?

サヤ  いちお開けておきますか。

平太  じゃあ、先に右にまがって…扉を開けてみます。

WC  ドアノブはワイヤーで縛られ、板で打ち付けられている。

サヤ  なるほど。これは諦めますか。

平太  うん、じゃあ、戻って…使用人私室らしき所を開けていこう。

サヤ  はい〜。

平太  使用人の所なら鍵があるかもね。

WC  引き返して進んだ廊下の左手側、並ぶ扉の一番手前を開くと、中は、間口に比べて奥行きの広い、ありていに言えば細長い部屋だ。

サヤ  机とかある?

WC  簡素な寝台と、最低限の家具があるきりで、それらにも薄い布がかけられ、長く使われた形跡はない。

平太  じゃあ、鍵をしまいそうなところを探そう。

WC  小さなデスクらしきものもあるが、それにも布がかけられている。

平太  じゃあ、机らしきところを探すね。

サヤ  一応引き出しとか開けてみますか? でも布かけてるところってもう物出してありそうだよね。

平太  うんうん。とりあえずね。

WC  きしんで開く引き出しに、物の入っていた形跡はない。

平太  壁に鍵をかけたりするところ無いかな?

WC  小さなフックがいくつかある。しかし、何もかかっていない。

平太  おけー。あとは…本とか…読むモノもないかな?

WC  机の上にかけられた布をめくってみるが、そこには何もない。

サヤ  床とかは埃まみれ?

WC  うん。

平太  次行こっか。

サヤ  さやはだんだん掃除がしたくなってきた。

平太  (笑)

サヤ  次行きましょ〜。

WC  隣の部屋も同じような状態だ。

平太  さっきと同じ事をするね。

WC  デスクや寝台の配置がわずかに違う程度で、特に見るべきものはない。

平太  ここにも鍵をかけれそうな小さなフックはある?

WC  あります。

平太  じゃあ、次へ行こっか。

サヤ  はい。

WC  次も、その次も、同じような部屋が続く。

平太  「うーん…鍵が見つからないね…。」

WC  4つの使用人室は、ずいぶんと前から、誰にも使われていないようだ。

サヤ  「まぁ、この部屋を使って生活していたかもわかんないしね。とりあえず、西側も調べてみよっか。」

平太  「おっけ。」

サヤ  そのまま進んだ突き当たりは階段?

WC  ライトの光に、上階に向かう細い階段が見えている。

平太  じゃあ、角を左折して、右手に扉があれば開けよう。

WC  扉は確かにあります。 中は客間。
東側の客間と同じような作りで、仕切りの位置から考えると、見た部分に関しては完全に吐月館と対照になっていることがわかる。

平太  いままで見てきた客間と、異なるところがある? 対照以外で。

WC  特に気になるものは無い。

平太  客間じゃ鍵もなさそうだし、次に行こう。

WC  廊下は、客間と同じ作りの扉が、右手に3つ等間隔に並び、その一番奥の扉の正面、向って左手の壁には、両開きの大きな扉がある。
通ってきた道筋から考えれば、中央の大食堂(と思われた部屋)である。

平太  両開きは、食堂だろうな…と、警戒せず開ける。

サヤ  だよね。

WC  間違いなくそのようだ。自分たちの靴に踏み荒らされた埃の後が見て取れる。

平太  じゃあ、さっきの部屋の隣の扉を開けよう。

WC  客間だ。特に見るべきところはない。

サヤ  うう。

平太  じゃあ、さらに隣の部屋を。

WC  同じく、特に見るべきものはない。

平太  出て、右手へ。

WC  そこまで行けば、廊下がトの字になっていることがわかる。

平太  「右にいくと…地下にいくのかな? まあ、いいや、あと1部屋のはずだし、真っ直ぐ行こう。」

サヤ  「うん。」

WC  正面に進めば、右手の壁に、他の部屋のそれより幾分か上等な扉が見える。
廊下はもうしばらく続くようだ。

サヤ  とりあえず扉開けますか。

平太  うん。

WC  扉を開くと、落ち着いた調度品でまとめられた大きな部屋だ。
吐月館で最初に通された応接間と同じ作りのようだが、幾分暖かい雰囲気が満ちている。
気のせいか、積もった埃の層も薄い。

平太  暖かい雰囲気ね…なにが原因だろ? 吐月が冷たい感じだったのかな?

WC  へーたには難しいかもしれない。クレバネスで13。フィールでも可。主婦なら9で。

平太  一応、フィールで。
ケアフルに、4がでて、フィール9。失敗。

WC  残念。へーたが主婦なら良かったのに。

平太  だねー(笑)。

サヤ  では主婦的なフィールで。ケアフルで、4でて、フィール13。

WC  簡単に言えば、家具の使用感、だろうか。
わずかに色あせた布。すりきれ。そして、細かな傷。
複数の誰かが頻繁にここを使っていたことがわかる。
そして、家具たちが、それでも破損していたり、明らかに乱暴に扱われた形跡がない。
もしかしたら、「住人たち」がリビング代わりにでもしていたのだろう。

サヤ  なるほど。でも香を使っても良さそうな候補地ではあるかな。

平太  試しに使ってみようか?

サヤ  ちょっとこわいな〜。

平太  わかるわかる(笑)。

サヤ  全体見てからでもいいような気もするけど。

平太  そだね、急ぐことでもないし。

サヤ  回数が限られてるから、なんか慎重になってしまうよ。

平太  まあ、そういうもんだよね。

礼?  「しゃあないねん。たっかいねん。」

サヤ?  「そこは何とかしてよ〜。」

サヤ  はい、では次にいきますか?

平太  じゃあ、でて右手かな。

WC  部屋を出た廊下の先は、行き止まりになっており、左手の壁に重厚な扉があるきりだ。

サヤ  一応開けます。

平太  うん。

WC  玄関ホールだ。開けた扉にひさしを作るように階段が頭の上に伸びている。

サヤ  了解。戻って地下への階段を確認するか、2階に行くか? どうします?

平太  鍵を先に探したいよね。鍵があるとしたら2階な気がしない?

サヤ  ん、そうですね。 じゃ先に2階へ行ってみますか?

平太  うん。2階の部屋を探してみよう。

WC  2階へ行く(と思われる)階段は3つ。

平太  玄関ホールから、右手の階段を上がろう。

WC  階段はかすかな軋みの音を立てながら、しかししっかりした手(足)ごたえで体重を支えてくれる。

平太  あ、絵とかかけてないよね。よく、階段に絵とかかけてあるじゃん。

WC  絵画はあります。

平太  こー、魔女っぽいダークな奴じゃ…ないよね?

WC  廊下や、ホール、食堂などの壁に散見しました。
ただ、ごく普通のポートレイトなどで、肖像画、虐殺を描いたマニアックなそれ、アニメを題材にした同人作品などはないようです。
調度品として、自己主張がないことを第一義に選ばれていたのでしょう。

平太  「なんか、魔女っていっても、普通っぽいよね。」

サヤ  「あは。ま、そうだね〜。魔女が皆おんなじ格好してるわけじゃないだろ〜し。」

WC  どっかの奥さまのほうが派手に魔女だよね。
わんこに煮干上げたり、回復忘れたり。

平太  うんうん(笑)。回復し忘れは知らんけど。

サヤ  「なんか、言った??」

平太  「へ? なに? なにか聞こえた?」

サヤ  「ん、なんとなく。」

礼?  「なんもゆうてへんがな。」

サヤ  「あれ!?」

平太  「怖いこと言わないでよ(笑)。」

WC  場所が場所だけに。

平太  じゃあ、階段上がりきっちゃおう(笑)。 

 
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