虚空の翼

◆2話 ◆

うつつにうつるはまぼろしの
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長月館
「赤の魔女影」×1  

魔女の影との戦い。  
いつものように前に出てサヤをかばう平太と、後衛でチャンスを狙うサヤ。
WC  赤魔女。
カグヤ 赤烈属性のこと。
平太の本性もこの「カグヤ」である。
の力が収束…自分の正面に、一本の棒−どうやら絵筆−を持って円を描く。

平太  うーん…反撃か?

サヤ  なんだろ??

WC  空間に描かれた円は明滅しながら待機している。

サヤ  んじゃ、こっちは リキの毛玉がちっちゃいわんこに〜 サヤの術<働き者の子犬たち>。
自動で動き、ある程度の属性力を収集してくれる。
。で残りは属性破棄。  
1ターン目は、平太はチャージ、サヤはいつもの<働き者の子犬たち>で、力を貯める。  
対する<赤の魔女影>は、空間に円を描いて何らかの術を準備。 
そして2ターン目、チャージで赤属性がたまった平太は、新技の解禁。
平太  全力、<ワイルドスイング・改 見えない右腕で弾丸を飛ばす平太の攻撃技<ワイルドスイング>は、使用後に必ずバランスを崩してしまう不完全なものだったため、攻撃を連発できず、前回は魔女ナナシに敗北する結果になった。
そこで、平太はその欠点を改良した<ワイルドスイング・改>を新たに編み出した。
>!+<反動反射 平太のサポートスキル。
術のウェイト(いわゆる反動であり、これが大きいと次ターンの行動が遅くなったり、できなくなったりしてしまう)を反転させ、次ターンの行動速度を加速する。
このスキルの効果で、平太は、普通はウェイトが大きく、多用するこのとのできない「全力攻撃」を連発できるようになった。
>。

サヤ  お〜!!

平太  ギャンブルで…

サヤ  ギャンブルだ(笑)。

平太  テクニック13。

WC  回避を試みる。無理。ギャンブルでないと届かねえし。ギャンブル失敗した。威力どうぞー。

平太  うし! じゃあ、いきます。…9でた!フリング その攻撃の性質を表わす。
「物理的な」攻撃は「フリング」、「魔術的な」攻撃は「ソーサリー」と呼ばれる。
で31。

WC
  空中に描かれた円が、くるくると回り、攻撃のエネルギーを巻き取る。
そしてそのまま空間に消えてゆく。 円はまだ待機している。

平太  「なんだあれ…?」

サヤ  「ダメージいかないみたいだね…。」

WC  筆しらべ、<離魂円 デフォルトの名称は<武力障壁>。
フリング種の攻撃を、一定回数(初期状態では2回)無効化する障壁を作る術。
ちなみに、「筆しらべ」は、ゲーム「大神」から引いた、ただのネタである。
>。
サヤ  「あれを壊さないと直接あたらないのかな?」

平太  「最悪!」

サヤ  あれさ〜、<封壁 防御スキルの1つ。「回避」・「ガード」の代わりに実行し、自分に向けられた攻撃の威力を大きく削る。
平太の防御技<キャッチ>が、この<封壁>にあたる。
>じゃないよね? だって、回避失敗してから使ってたよね。

平太  <封壁>は、回避、ガードの代わりだからね。

サヤ  <武力障壁>かな〜??

平太  その可能性たけー。  

平太の新技<ワイルドスイング・改>は、魔女影の生み出した障壁に阻まれてしまった。  
しかし、即座にその障壁の正体を解析し、対策を考えるサヤと平太。

サヤ  「リキ、お願い!」

WC  「ぐるうううう! がぁうッ!!」

サヤ  サヤ前衛へ移動し、リキが直接<かみつき 前回、サヤ唯一の攻撃技<一尾両断>は、威力が高く範囲攻撃はできるが、発動が遅く、1発撃つ度に7000円の煮干しが必要で、しかも撃ったあとはやたら大きなウェイトでしばらく行動ができないと言う大味な技だった。
そこで、それとは別に軽い攻撃技として今回サヤが用意したのが、この<かみつき>である。
ただし、近接攻撃なので、攻撃前にサヤは前衛に出なければならない。
>に…がぶっ!!

平太  それはソーサリー? フリング?

サヤ  大丈夫、ソーサリーですよ。

平太  おー! いったれー!

サヤ  命中9。

WC  ちょろいっつーかギリつーか。難しい数字だね。9。…回避やってみよう。ぐわ…7。威力カモン。

平太  やた!

サヤ  やた〜。8でて、しかも<過変動 技の攻撃力の振れ幅を大きくするオプション。
最大ダメージが大きくなるが、最低ダメージも小さくなってしまう。
>つき♪なので、威力33。

平太  すげ(笑)。

WC  色は? サヤは、今回<秘匿>というスキルを習得している。
このスキルは、「自分が蓄積している属性の色や値を公開しなくても良くなる」という効果を持つため、WC(敵)にも、サヤが今何属性をどれくらい蓄積しているのかがわからない。


サヤ  く・ろ。 サヤの基本属性は「青」であり、<赤の魔女影>の「赤」には相性が悪いが、その辺を打開するために、この<かみつき>は、「赤」属性に優位な「黒」属性の技にしてある。
当然、もとが「青」のサヤには、「黒」属性をためるのは多少面倒で時間がかかるのだが。


平太  おー!

WC  <赤の魔女影>は、累積した属性を全部削られて、さらにダメージ20。まだ消えてはいませんが。

平太  <秘匿>こえー(笑)。  
魔女影の障壁が<武力障壁>であることを早々に見切ったサヤは、ちょうど用意してあったリキの新攻撃技で魔女影を一気に追い詰める。  
続いて平太も、障壁に阻まれるのを承知で、障壁を破壊するべく攻撃を仕掛ける。
平太  全力<ワイルドスイング・改>+<反動反射>。命中10。

サヤ  「へーたん、転ばないようにね〜。」

平太  「もう転ばないよ!」

WC  ギャンブル回避。回避14。やったねギャンブル。

サヤ  まじですか!?

平太  おけおけ。  
回避に失敗しても障壁という保険のある赤の魔女影はギャンブルマトリクスを多用し、平太の攻撃を回避。
しかし、蓄積した赤属性がリキの牙によって削られていたため、反撃はできない。  
そして…
サヤ  じゃ、も一度リキにかみついてもらお。

WC  「あおおーーーーん!」

サヤ  …命中8。

平太  いいすうじー!

WC  狙っていくぜノーマル回避。…ぎにゃー! 威力カモン。

平太  ナイス!

サヤ  どうしたのあたし、また8でたから、威力33。

平太  すげー(笑)。

WC  漆黒の理力を湛えたリキの牙が、魔女の影を突き破る。 
魔女の影は、静寂のうちに断末魔を放ち、消えてゆく。

リキ  「わおおおおーーん!」

サヤ  「リキー、今日のご飯は特盛り♪」

平太  「お見事!」

WC  ふと、気がつけば煙が晴れている。 戦いの余波で吹き散らされたのだろうか。

サヤ  すんなり勝ててよかった! 
 
平太  「とりあえず、さっきの情景でわかることは…ある日を境に戦う事になっちゃったのかな?」

サヤ  「どうなんだろ? 2人は仲良さそうだったもんね。」

平太  「うん…なにかきっかけがあったのか。」

WC  ふと、周囲を見回すと、壁の大絵画の片隅に破れ目が。

サヤ  「あの破れ目は? 調べてみよ。」

平太  覗いてみます。

WC  戦いの余波だろうか。誰の攻撃が当たったのかは問わないが、カンバスが破れ、その破れ目からファイルのようなものが見え隠れしている。

平太  「これ、なんだ?」

WC  絵画に隠されていたのだろうか。

サヤ  「あえてそこに隠してあったの?」

平太  「うーん…かな…。」

WC  言語は日本語だ。日本人ならクレバネス3。英文科ならクレバネス15で読める。嘘だけど。

平太  (笑)

サヤ  日本人だよ〜。

WC  日本人で英文科なら足して18か。

サヤ  なんでよ〜。

平太  (笑)

WC  中身は、スケッチ用の木炭で書きなぐられたアイデア帳のようだ。
『「モチーフ<空虚>について』と、題されている。

サヤ  「<空虚>ってこの絵のことかな?」

平太  「なるほど、そうかも。」
ファイルと比べてみるとどう?

WC  目を通すということかね? それなりに枚数があるが。

平太  うん、目を通してみよう。比べるなら、ここでしかできないよね。

サヤ  そだね。

WC  まず、ファイルは、思い付きを書きなぐったようなもので、文としてのまとまりはない。
しかし、要約するといくつかのフラグメントに分けられる。 

・思念の媒介。強い歪みが、「類似の場」によって伝染する危険性。 
・力の偏り。その結果、より力を求め、飽和し、滅びる。 
・「空虚」による、精神汚染の影響。 
・魔女の近くに住む人間に、精神汚染が発生する可能性。 

こんなところか。
実際の文章は… 
『魂は歪に呼ばれる。
カンバスに同じ色を乗せてもそのアトリエの空気次第で同じ色にならない。
それは、強い歪や…(中略)…大きな力。
それは、意志力であったり権力であったり、私たちの持つ「力」であったり。その存在が「場」をひずませる。
大きな力を持ったものはより大きな力を求め、歪を大きくしてゆく…(中略)…歪の連鎖は弱いものに波及してゆく。
強い力を持ったものの不和は、近くにいる、弱いものの不和を呼ぶ。驚くべき類似性を持って。本来、我々のような「力」を持つものは、人と同じ「場」で過ごすべきではない…』

…などなど。
正直、とりとめがない。まあ、ゲージュツカのネタ帳だしね、と、ため息が出る。俺なら。

平太  「うーん…よくわかんない。」

サヤ  「そうだね。でも確かに何か『力』を持った人たちがこの屋敷に住んでたのは確かみたいだね。
『我々のような』って書いてあるし。」

平太  「で、人から離れなきゃならなかった?」

サヤ  「う〜ん。そういうことかな?」

WC  さて、証拠物件として持ち帰るものがあれば、カバンに入れてください。 
あと、ちゃんと報告書をだすなら、メモの用意などを。ご随意に。

平太  「そろそろ暗くなってきたね。」

サヤ  「そだね。」

WC  ちょうど5時くらいか。

平太  「じゃあ、最後に、『麦穂』の扉を開けて帰ろっか。」

サヤ  ファイルはへーたん持ってくれた?

平太  持ったよ。

WC  夏なので、7時くらいまでは活動できますかね。

平太  だね、帰りが真っ暗でよければ。

WC  まあ、真っ暗な屋敷内をこれだけ探索して、いまさら暗いのがなんだって話も。

平太  いや、山道は大変だと思うぞ。…まあ、やってくけど。

サヤ  「『麦穂』ってどの部屋だろうね?」

平太  「厨房! 食べ物だから…」

サヤ  「そういう発想だったのね…。」

平太  「何にしても、1階だね。開いてない扉が2つあるし。」

サヤ  「うん、まずは1階からだね。地下はあとで。」

平太  「おけ!」

WC  では、1階で良いのかな?

サヤ  どぞ。 
 
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