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虚空の翼
◆2話 ◆ うつつにうつるはまぼろしの |
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| 長月館 | |||
| 「黒の魔女影」×1 「屍鬼」×3 |
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| サヤ
お、予想通りの黒魔女。
平太 きびしいのー…黒だし… 敵は、平太の苦手な黒属性の魔女影。しかも、3体の護衛付き。 とりあえず属性をためて準備を始める2人に対して、敵は… WC 黒魔女。 背を伸ばす。手に持つ厚い本がひとりでに繰られてゆく。 足元に黒い闇の円が出来、そこから立ち上る瘴気が彼女の体を覆う。 黒魔女はセオリー通りの障壁展開。 3体の屍鬼は、属性を一切チャージすることなく、平太に殴りかかってくる。 WC 屍鬼3。へーたを殴る。命中1。 平太 全力で回避… まじかよ! 両方×。ください。 WC ひどいなそれは。 サヤ すごい。 WC 威力19。無属性です。属性があれば、相殺することなくその分減少させてください。 平太 2だけあるから、2点減少? WC そう。で、属性はそのまま残るよ。 平太 じゃあ、17点はいった。 WC 思ったより入ったな。戦闘序盤だったからな。 サヤ うん、無属性意外とおそろしい。かも? 平太 うーん、死ねるな。あと11点。 サヤ そっか、前回のダメージがあるから。 WC まあ、属性値をある程度維持しちゃえばノーダメージで済むけどねー。 サヤ でも次、私ウェイトがあるので、ちょっと回復おそくなっちゃう。 平太 あ、自分で薬使うよ。 サヤ ごめんなさい。 平太 いやいや、回復してなかったし(笑)。 |
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| 本来、属性力を使わずに行う「無属性」の攻撃は、属性の「チャージ」を必要としないため、非常に自由なタイミングで実行できるが、そのぶん5属性に対して極端に弱く、ある程度の属性がチャージされていれば、何のリスクもなく無効化されてしまう。 しかし、戦闘開始時でチャージがうまくいっていなかった平太は、直前の青魔女戦のダメージも残っていたせいもあって、いきなり回復が必要な状態に追い込まれてしまう。 |
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| 平太
「傷薬」を使う。26点回復。
サヤ へーたん、満タンになりました? 平太 3点だけ残ってる。 サヤ は〜い。 しかし、前回の失敗で学んだ平太は様々な回復アイテムを用意して来ている。それを使って危なげなく回復。 サヤ あ、さや前列へ。 平太 これって俺が下がった方がいいのかな? サヤ どっちでも大丈夫ですよ? 私が属性値たっぷりたまったから、攻撃散らせた方がいいかと思っただけで。 平太 じゃあ、ちょっと後ろに行くね。後退。 サヤ 悩むところなんですけど…。 WC なにがかね。 サヤ 煮干し使って前列の屍鬼たおすか。 平太 たぶんすぐに床から生えてくると思うけど、倒してほしい。 サヤ そっかぁ。生えてくるのか… 平太 でも、こいつら倒さないと魔女攻撃できないよね? WC 遠隔でやれば? 平太 赤 黒魔女の「黒」は、平太の「赤」に対して有利であるため、黒属性がある程度たまっていれば、赤属性のダメージの殆どはノーリスクで無効化できる。 でね。 WC 赤で。 平太 まあ、逆に属性さえあれば、前はほっといていいけどね。 でも、 魔女に攻撃できるのおれだけだよね? サヤのスキルは近接攻撃、または、前衛を対象とするものしかない。 とりあえず、1体たおして生えてくるかどうか見る? WC 冷静だ。 サヤ いいっす。青がたまってるから、倒しましょう! 倒せれば。 平太 そだね。 サヤ という訳で。悩みましたが、<一尾両断>で! いきま〜す! WC しかし…牙よりしっぽが強い犬って… サヤ いいじゃんべつに。シッポつよくたって。 平太 しこんであるからね。にぼしのカルシウムが。 WC 骨っこ元気か。 サヤ そんな感じ。命中10。 WC 3体とも回避はしません。威力カモナ! サヤ お〜〜9でちゃった。威力51。 こんな所でいらない破壊力。 平太 いやいや、中途半端よりいい。 WC 屍鬼1、 バースト2連 ギャンブルマトリクスでバーストが発生してこんなことに。 こんなことが起こる確率は0.01%程度なのだが… で86点ガード。 サヤ なにそれ! WC 屍鬼2、4点ガード。 平太 差がすごすぎ(笑)。 WC 屍鬼3、13点ガード。 3体ともまだ元気。 平太 嫌さがわかったね。 サヤ 生えるというより、たっぷり養分もってたかんじ。もやしのくせに。 WC もやしだけに! もやしっ子! 平太 もやしっ子じゃ無いじゃん。 |
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| 平太に代わって、十分に属性値を累積させたサヤが前衛に。 ついでに、邪魔な屍鬼3体を一掃しようと貴重な煮干しを使って<一尾両断>を仕掛けるが、驚くべき耐久力を見せる屍鬼は、一体たりとも倒れない。 しかし、屍鬼の攻撃も、サヤの厚い属性力の壁に阻まれ… |
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| WC
屍鬼3。サヤを殴る。命中27。
サヤ は!? ガード。 WC 威力7。 サヤ 属性で消えた。 全くダメージを与えない。 2人は、次の攻め手を考えるべく、サヤの<星戟>で、屍鬼のLP(耐久力)を探ろうと試みる。 サヤ <星戟>。ゾンビ2の現在LPは、10以上? 10以下? WC いじょうー。 平太 最悪って事がわかった。60ぐらいあるのか。 サヤ ですね。 平太 サイテー。 サヤの<星戟>により、屍鬼のLPが果てしなく高いことが判明。 しかし、サヤは逆に腹が据わったのか… サヤ では、後列に移動し、さらに煮干しをリキに。 WC おお。やる気だ。 サヤ ええまあ。 平太 何する気だ! サヤ いけしっぽ! いつもの<一尾両断>である。 命中14。 WC 威力どうぞ。 サヤ 1でした…威力27。 平太 あれま! WC 屍鬼1、8ガード。 屍鬼2、×。 平太 2は運が悪い奴だな… サヤ ですね。 WC 屍鬼3、9ガード。 みんな元気。 サヤ え〜〜〜!? WC 2だけ、ちょっと落ち込んでる。 平太 (笑) サヤ 2は−74のはずなんですけど。 WC 合ってるよ。 平太 100が見えてきたね。 サヤ ですね〜。 |
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| 屍鬼自体の攻撃力は無属性で大したことはないが、チャージを必要としないため間断なく攻撃されるのは厄介である。 防御力もスカスカであるため、早々に倒してしまいたいのは山々ではあるのだが、しかし、LP(耐久力)100を超える気配さえある屍鬼。 平太のLPが40、サヤのLPが30程度である事を考えると、圧倒的な数値だ。 |
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| WC
黒魔女。周囲に満ちる怨嗟の声を束ねて漆黒の槍を紡ぎ上げ、緩やかな動きからその槍が放たれる! 2人とも攻撃対象です。命中8。 サヤ 貫通 前列と後列の1体ずつを攻撃対象とする攻撃範囲形式。 ね。私はガード。 平太 回避。 サヤは回避能力(パリアンス)が低いため、着実な防御を行うために「ガード」を選択せざるを得ないが、平太は逆に回避能力が高いため、成功すれば必ずダメージを0に出来る「回避」を選択することが多い。 サヤ がんばれ〜。 平太 回避9 サヤ よかった。 WC 威力、黒の28。 サヤ 死にそ〜。とりあえず属性で3点削って。ガードは7。ダメージ18。 生きてる生きてる。 耐久力に優れる屍鬼を盾にし、自らは後列で属性をチャージ、隙を突いて大技を放つ黒魔女の戦略。 攻撃の軸となる黒魔女を倒すべく、平太が仕掛ける。 平太 全力<ファイアーボール>+<反動反射>! 黒魔女! 命中11。 WC 回避10。 平太 威力いっきます! サヤ がんばれ! 平太 フリングソースで、29点! WC ダメージはいりました。 平太 さっきの技で黒へってたな。 |
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| 黒魔女は、直前に攻撃を行い属性値が減少していたため、本来不利であるはずの平太の攻撃も、黒魔女にダメージを与える。
対する黒魔女は… |
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| WC
黒魔女、前列へ移動してチャージ。
平太 お? サヤ あらま。…前列なぐりたい… 平太 いいねー。いま4人でしょ? サヤ そですけど、魔女属性たまってますよ。あ、でも、 殴って消すのもありですね…。 属性値は、術の発動に用いる他に、受けたダメージの減少にも使うことができる。 つまり、自分が攻撃することで敵の属性値を防御に使わせ、それによって敵の攻撃を遅らせることもできるのだ。 平太 んだね。 サヤ 直線攻撃とか、列攻撃されるよりは…う〜ん。 今属性19なので、このターン攻撃はできるが回復はできない。 回復するには、このターンはチャージするしかないのですが、なんだか、殴って属性消せるなら、その方が有効な気もしてきたり。 WC 積極的な防御。サッカーで言うところの前線のプレスって奴だね。 平太 さやねぇが魔女に攻撃できるチャンスといえばチャンスなんだよね。 サヤ うん。殴ろう。貫通も列攻撃もこわいので。 WC まあそうだわな。属性で負けるへーたも、LP残り12のサヤも怖い。 サヤ シッポを前列に。命中10。 平太 お、いい目! WC 皆、回避しない。威力どうぞ! サヤ びみょ〜。威力37…そろそろいなくなってほしいゾンビ2。 平太 んだね。これで残ってたら、泣こう。 サヤ うん。 WC 屍鬼3、5点ガード。 屍鬼2、9点ガード。 屍鬼1、10点ガード。 黒魔女の周囲に集っていた黒いオーラが、しっぽの衝撃を巻き取るように無効化。 サヤ きゃ〜そっちか。 攻撃を無効化する「障壁」には、フリング(物理)攻撃にのみ有効な<武力障壁>と、ソーサリー(魔術)にのみ有効な<理力障壁>がある。 サヤの攻撃は全てソーサリーの術なので、つまり、黒魔女の障壁は<理力障壁>である、とわかる。 そっち=理力。 あっち=武力? WC その黒いオーラに、黒魔女はわずかに息を吹きかける。 サヤ しかも 反射 <武力障壁><理力障壁>などの障壁が効果を発揮した際に追加発動できるスキル<反射付加>。 障壁が無効化したダメージを、攻撃者に反射する。 か!? WC 黒いオーラに包まれた衝撃がサヤに向かう! サヤ う〜ん。主婦ポイントかな。 WC サヤは、自分の命中10、威力37に対して回避などして良いですよ。 平太 こえー… サヤ ガード。…4なので、「 身代わり君L 「主婦ポイント」を使用し、この時は持っていなかった、1度だけLPダメージを肩代わりしてくれる人形「身代わり君L」を「実は」持っていた、ことにした。 」登場。おっと、「実は」お財布に入ったまま忘れていた身代わり君が! WC 主婦だー! 嫌な主婦だー! 平太 (笑) サヤ くそー、結局属性けずれなかったよ。だめだめじゃん。 平太 2は死んでないの? WC 死んでる。元から。 平太 いやいや。 サヤ そうではなく。 WC さすがに元気ないね。可愛そう。 平太 それさっきもきいた(笑)。 サヤ あれ? 100おーばーだよ? WC あってるよ。 平太 …泣けるね… サヤ しくしく…。 WC ぞんびってそーゆーもんじゃん! 違って!? 平太 ううん。最後は水まいて、電気を流せば全滅するはず。 WC ゾンビじゃないよ。 アレ アメリカのパニックホラー映画で、邦題は「バタリアン」。 5作くらいあった。 「バタリアン」と呼ばれるゾンビっぽいモンスターが大量発生する筋立て。 コメディホラーという感じで、キョンシーを世に知らしめた映画「霊幻道士」「幽幻道士」シリーズと近い雰囲気。 一昔前の流行語「オバタリアン」の語源でもある。 鼠算的に増えてゆく「バタリアン」を、最後は水をまいて電気を流して全滅させる…のは、何作目だったか… は病気だもん。 平太 死んでるじゃん、あれだって。 WC …おお、そういえば、発電室も貯水室もあるではないか。ナイス伏線。 平太 燃料ねーし! サヤ 魔女倒したら、ゾンビ消えるかな〜? 平太 たぶんね。 |
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| 高いLPのせいでどうにも倒しきれない屍鬼、そして、隙をついて強力な攻撃を仕掛けてくる黒魔女にほとほと手を焼く2人。 サヤは攻撃アイテムなどによる突破口を考え、平太は黒魔女が術を発動して属性の減少した隙を狙う。 いずれにせよ、まずは攻略法を思案しながら属性をチャージ。 その間に、黒魔女も… |
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| WC 黒魔女。
中空を掴む。黒いオーラが形を成し、巨大な弓になる。おわり。
平太 それって属性減ったかな? WC 減った。 平太 了解。不屈ポイント! 「実は」、前々から習得していた技がある。< 単位拡大 属性を多く消費する代わりに単体攻撃技の対象数を増やすことができるサポートスキル。 単位拡大>。 サヤ お〜〜〜! 平太 で、<ファイアーボール>もレベルアップ。キャパ+1。いっくよー! 全力<ファイアーボール>×3+<反動反射>! 1つの術技に組み合わせることのできるサポートスキルは、基本的には1つまでである。 しかし、ここでの平太のように<反動反射>と<単位拡大>といった複数のサポートスキルを組み合わせたくなることもある。 その場合に必要とされるのがサポートキャパシティ(SC)と言う値。 術技をレベルアップさせることでこのSC値を成長させれば、その術技に組み合わせることのできるサポートスキルの個数が上昇する。 目標は、魔女と、屍鬼2、3。 サヤ うん、ゾンビ〜も殺しちゃってください! WC 増える魔球。 平太 命中2。 WC 全員回避せずー。 平太 だよねー。威力はフリング29。 WC 黒魔女は属性で消去。 屍鬼2は18、屍鬼3は8点ガード。まだ動いてます。 不気味な準備行動を行う黒魔女に対して、平太も「不屈ポイント」で新たな技をコンビネーションさせた<ファイアーボール>の分裂魔球でアタックをかける。 ダメージは与えるも、黒魔女・屍鬼ともに健在。 WC 黒魔女。先ほど手にした巨大な弓を構え、同じくさきほども呼び出した怨嗟の槍を矢のように番える。 そのままへーたに向かって投射。命中18。 弓のせいで命中精度が格段に高い。 理黒属性の補助スキル<精度強化>。 命中判定の数値を2倍にする。 平太 < 危機察知 平太の特殊スキル。 ごく近い未来の危機を予知し、回避しやすくする。 戦闘時、敵1人に対して実行することで、その敵に対しての防御判定を2回行い、良い方の結果を選べる。 >をやってあるので、回避2回できるけど… サヤ かばおうか? でも<未来回避>あるからいらないかな? 平太 うーん… サヤ 命中18は回避きびしいよ〜 平太 まあ、最悪「不屈」で逃げるよ。あと2ポイントあるし、2回は回避できるから、ギャンブルしてみる。 サヤ わかりました〜!! 平太 …ダメだった… WC 威力は黒の40。 サヤ ぶぅ。 平太 不屈で、「実は」…身代わり使うか。 サヤ 属性あれば、身代わり使わなくても生きてるんじゃないですか? 平太 まあ、そうだね…お守りもあるから、ダメージ31だね。さやねぇの回復で回復しきるダメージだな。 サヤ うん。ただこのターンは多分ムリなので、次ターンまでLPがもってくれれば。 平太 うん。攻撃が来たら、またその時に不屈を使うよ。 |
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| 着々と戦況を有利に運ぶ黒魔女。
平太は大きなダメージを受け、サヤの回復を待つが、その間にも屍鬼の攻撃は続く。 |
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| WC
屍鬼1、へーたを殴る。命中3。
サヤ かばいたい〜! 平太 5! 避けた! サヤ よかった! WC 屍鬼3、へーたを殴る。命中8。 平太 ガード! WC 威力16。 平太 属性13+ガードでノーダメージ。 WC 屍鬼2、へーた殴る。命中3。 平太 回避! 連続で繰り出される屍鬼の攻撃。本来はくらっても大したダメージにはならないが、今は残りLPもわずか。 1撃も受けるわけにはいかない。 無傷で何とか凌ぎきり… サヤ へーたん回復。 平太 やったー! サヤ ごめん。5がでて、29回復。満タン行かなかった。 平太 おけおけ(笑)。 必死に耐えながらためた属性で、平太の反撃! 平太 全力<ファイアーボール>×2+<反動反射>! 魔女とゾンビ2! サヤ お〜! やっと死ぬ? 平太 命中4。 WC 魔女。回避10。 屍鬼2、威力カモン! 平太 威力23。 WC 屍鬼2は、13ガード。生きてないけどまだ動いてる。 サヤ え〜!? 平太 うーむ… |
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| 倒れない屍鬼。命中精度も威力も高い黒魔女の攻撃。 黒魔女を狙おうにも、術攻撃を反射する性質を持つ障壁に阻まれ、迂闊に手が出せない。 手詰まりの状況に対してサヤは… |
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| サヤ
どうしよっかな〜。そろそろお札なげよっかな。
平太 魔女に? サヤ うん。 平太 跳ね返らない? WC アイテムのダメージ区分はフリングでもソーサリーでもないので、普通は反射しませんね。 サヤ 高価い サヤの用意した「破魔札」はかなり強力な部類に入るもので、1枚の値段が4万円。 から、ホントは使いたくないけど、有効な手がなさ過ぎる。 回避されるかもしれないけど。 平太 それだよねー。 サヤ よし、仕方ない! 魔女に礼さん特製の破魔札を全力で。属性は黄色ですよ。 礼 「まいどー。」 サヤ 命中14。 平太 おお。 WC …高いッスね。 サヤ 9が出ましたよ。 WC 回避無理。 平太 主婦パワーですな。 WC ガード考えます。威力どぞー。 サヤ また9でたよ。 平太 お! 今までがなんだったの状態? サヤ 威力42。シッポの方が強い。ちょっとがっくり。 WC ガード0なんだよね。実は。 サヤ へ〜。 平太 おわった? WC 7点削って、35ダメージ。影は消えうせる。 それに伴って、死体たちも塵に帰ってゆく。 平太 さやねぇナイス! おれも攻撃アイテム持っておこう。 |
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| サヤの投げた黄色のお札は、序盤に平太が与えておいたダメージとの合算で黒魔女のLPを上回る。
苦戦の末ではあったが黒魔女を撃破。 |
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サヤ
かばんの中含めても煮干しがあと5本しかない。 主婦ポイント使ってアイテムを大量購入するか、一回地元に帰って買い物をしたいよ〜。 あと何戦闘? もたないと思う。 平太 予想は1。朝顔の間がありそう。 サヤ あと、他にもあやしくて使ってない部屋が2つはあったはず。 まぁ、全部が戦闘になるとは思えないけど。 WC と、考え込む二人の耳に、ごとり、と音がきこえる。 サヤ 「!?」 WC 明らかに重たい物が落ちた音だ。 平太 「また何か隠してあったか?」 サヤ 「かもね〜。」 平太 音の方向へ懐中電灯を向けよう。 WC 見ると、札の火花で焼ききれたのでもあろうか、ハンモックが切れて落ちている。 ハンモックの重さの音ではなかったが。 平太 ハンモックの切れたところを調べよう。 WC 切れたところは、特に異常はない。弱くなった綱が、戦闘の余波で切れただけだろう。 平太 壁とかその下とか、ハンモックと地面が接してる所を調べる。 WC ハンモックを持ち上げると、明らかに重い。 平太 どこが一番重いかな…。 WC 重いのは、クッションのようだ。 平太 押してみて中の異物を調べる。 WC 硬い。中に、厚さ5cm以上、縦横が20cmを超える直方体の「硬いもの」が入っている。 平太 「これっぽいね…。」 サヤ 「開けてみて!!」 平太 開けるとこありそう? 開けるところがあれば開けるよ。 WC 良くみれば、クッションは「ふくろ」のようなつくりになっており、その中に手を突っ込めば固いものが指先に触れる。 平太 取り出すよ。 WC 装丁のしっかりした本だ。表紙にはタイトルはない。 平太 パラパラパラ…。 WC 皮で装丁されている本格的な希稿本の類に見える。 が、その中身は難解な英語のようだ。しかも手書きの。 平太 「はい、さやねぇ。」 サヤ 「うわ…、これは手強そうだね。」 WC 筆跡に癖が強く、方言なども混ざっているため精読は難しそうだが、大まかな内容を掴むならクレバネスで。 高校生は17、英文科は10。 平太 放棄。 WC しょんなか。 平太 英語を見るとくらくらする。 サヤ ケアフルに、クレバネス12。 WC 手書きの研究書のようだ。何人かによって書かれたのか、筆跡は所々で変わってゆく。 「私たち」の一族が書き継いできた、「私たち」の一族についての研究のようだ。 内容にまで言及するなら、拾い読みでも最低3時間はかかるだろう。程度のことがわかる。 平太 うーん…。 サヤ 「う〜、ちょっと持って帰ってもいいかな。」 平太 「うん、持って帰ろう。」 サヤ これ、吐月館でずっと部屋にこもって解読したらちょっとはわかるってこと? WC 場所はどこでも良いけどね。 サヤ いや、こんな暗いところで3時間もこもりたくないし。目が悪くなっちゃう。 平太 ゾンビが出てきた穴とか、中に何か入ってないかな? WC 地面には何の異変もない。あれも、過去の影が見せた幻だったのだろうか。 平太 そかー。 サヤ 本がくりぬかれて、実は鍵が入ってたりしない? WC その類の仕掛けはないようだ。 時刻は6時過ぎ。 7時までと切れば、あと1箇所か2箇所くらいならどうにか回れるが。 平太 7時で切ろうか。 サヤ じゃ、回ってみる? 平太 「気になる所ある?」 サヤ 「うん。応接間と英語のメモがあった女の人の部屋。」 平太 「俺が瓶を探したところ?」 サヤ 「うんそう。」 平太 「じゃあ、そこから行ってみようか。」 サヤ 「あそこ、ふくよかな女の人の部屋じゃないかな?と思って。」 平太 「うんうん。」 サヤ 「なんとなく…、だから自信ないけど。」 平太 「でも、消去法で、子供かふくよかな女性かどっちかだからね…ふくよかさんの可能性が高いと思うよ。」 サヤ 「応接室もいろんな人が出入りしてて、情報ありそうだけど。」 平太 「まあね〜…じゃあ、近場からいく?」 サヤ 「そうかな…、そうだね。1階で、応接室のぞいてみるよ。」 平太 「おっけー。」 じゃあ、応接室に移動。 |
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