虚空の翼

◆2話 ◆

うつつにうつるはまぼろしの
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隠し部屋
 
WC  では、2人は3階の部屋に。

サヤ  やった〜、隠し部屋!

平太  (笑)

WC  がらんとした部屋だ。窓も戸もない。

平太  ぐるっと照らそう。

サヤ  家具はありそう?

WC  片隅に、ぽつんと、旧い木机が置かれている。引き出しは3段。 机の上には、鉛筆などの簡素な筆記具。

サヤ  あ、電気とかあります?

WC  机の上に、傘のついた裸電球が。下に、ひねるスイッチがある。

サヤ  スイッチON。

平太  ゴゴゴゴっ…

サヤ  なんかすごい音が!?

WC  貧しげな、と言ってしまってよいのか。木机と電球。部屋の片隅に作られた、ちょっとした「秘密基地」。
オトコノコにはわかる、そんな風情が少しだけ。

平太  さやねぇにもわかりそうだよね。一番喜んでたし。

サヤ  うん、確かに。では机の上や引き出しを調べましょう。

WC  机上には、特に目に付くものはない。 
引き出しを開けると、何通かの手紙や写真が納められている。 
手紙は、宛名が退色し、既に読めないものも多い。写真もだ。非常に古く色あせている。 
子供の写真が多いように見える。 女の子と、男の子が。 
女の子は、詠歌だろうか。面影がある。 男の子も、見覚えがある気がするが、誰だろうか。

サヤ  男の子は共由さんに似てる?

平太  かなー。

WC  と、考えてみれば、そのようだ。

平太  それしか思い当たらないよね。

サヤ  うん。写真の裏に名前書いてあったりしない?

WC  写真の裏に書かれたことは…鉛筆で書かれているため、読みきれない物も多いが、それでも、何枚かに「えいか」「ようた」と書いてある。

サヤ  「ようた…」

WC  その少年は、共由に似た面影の少年だ。

サヤ  ふむふむ。あとの手紙は?

WC  手紙を手にとって漁ると、一つだけ、硬く重いものが入った封筒がある。差出人の記名はない。 
宛名は、ローマ字で、『HAKUYOU TOGETU』。

サヤ  「へーたん、これ!?」

平太  「これこれ!! これだよ!! って、あける?…いいやあけちゃえ!!」

サヤ  うんうん。

WC  中には、数枚の便箋。ほとんど退色はなく、読むことができる。言語の問題を除けば。

サヤ  英語英語? ギャンブル使うさ〜。

平太  うをー(笑)がんばれー!!

WC  英語。これは簡単。日常語で、会話文だ。英文科なら9。高校生でも12程度。

サヤ  お、よかった〜、ってギャンブルのところじゃないよ。がんばれ高校生! 私もギャンブるけど。

平太  がんばりたいけど…。

サヤ  ギャンブルで…3かよ〜、というわけで、クレバネス7。

WC  英文科ー! 出番だ高校生。

平太  辞書使って9なの?

WC  使い忘れ。軽く読めると思って油断したら、なんだか意味わかんない文章になった感じ。

平太  えー(笑)。

サヤ  じゃ、高校生は使えばいいじゃん。貸してあげるよ。

WC  高校生10で。

平太  おれ、バーストのみだぜ(笑)8か9(笑)。

サヤ  がんばれ〜。

WC  勉強しろよ現役受験生。

平太  まあ、やるだけやるけど。

WC  あきらめモードだし。

平太  英語嫌いなんだよ!

サヤ  そうか〜。

平太  ノーマルで…クレバネス8です。ダメです。

サヤ  残念だ〜。

WC  では、30分後にリトライ。

サヤ  うん。おねがいします。

平太  とりあえず、持ち出すか。

WC  共由も上がってきて、周りを見ている。

サヤ  次はケアフルで1発OKだから。 「マトリクス」6個全てが使用され、全てのマトリクスが再度使用可能になったため。
ちなみに、このようにマトリクスを全て使用して再度マトリクスが使用可能になることを、俗に「マトリクスが1周する」などという。


平太  お願いします。

サヤ  じゃ手紙預かるね。

平太  おっけー。 

 
平太  「共由さん、この写真って見覚えあります?」

共由  「写真ですか? これは…僕…ですかね。」

サヤ  「なんとなく面影ありますよね〜。」

WC  「ええと、そうですね、小学校に入ったときの写真と…」

平太  「たぶんそうだと思うんですけど。」

共由  「運動会の時、ですか…僕です。」

サヤ  「へー、柏陽さんに撮ってもらったんですか?」

共由  「ええ…」

WC  ちょっとショックを受けているようだ。

共由  「まあ、母の代から…よく…していただいていましたから…はい…」

平太  写真は共由に渡しちゃう?

サヤ  いやいや、渡したくないな〜。

平太  この手紙の事は伝える?

サヤ  『ようた』っていう名前とか、なんか渡したら帰ってこなさそう。

平太  それがいいんじゃん(笑)。

サヤ  う〜ん、今向こうに渡していい情報なのかな、って。これを元に私は当主になる、とか言い出しそうだし。手紙もこっそり持ち帰る。

平太  それが一番丸く収まるんじゃない?

WC  共由殺され率が一気に上昇。

平太  そうなるけど。

サヤ  いやいや、というか犯人でしょ。

平太  犯人? 誰が?

WC  どっちにしても、共由に試練を課す、と。

サヤ  共由くんもその可能性があるから、渡したくない。っていうか、誰も信用できん。という感じ?

平太  じゃあ、託すね。

サヤ  別に犯人が誰だろうと、犯人探しするわけじゃないなら、いいんだけどね〜。 
でも、渡した方がストーリーおもしろくなるなら、それでもいいよ。

WC  まあ、周囲に不和の種まいて自分の危険を高めまくるギャンブル人生も悪くないが。ハイリスクノーリターン。

サヤ  では、共由さんが何も言わないなら、こっそり持ち帰っちゃうよ。写真も手紙も。

WC  共由は特に気にしていないようだ。というか、気にするにはちょっと気持ちが追いついていないようだ。

サヤ  封筒の中の鍵は〜?

平太  後で開けよう。

サヤ  はーい。

平太  写真はおとり。

サヤ  はい(笑)。あと他は大丈夫ですかね? 気になるものはないですかね。

WC  それ以外は、そうだね。特に、今の段階で目に付くものはないかな。

平太  じゃあ、降りようか。

サヤ  あ、一個だけ。この部屋って、どれくらいの年数というか、人が使ってそうな気配はあるのかだけ。

WC  ずっと。埃は少ない。机は大事にされており、電球も現役。

サヤ  了解!

平太  「あまり得るモノがなかったね。」

サヤ  「うん、そうだね〜でも、柏陽さんキレイに部屋を使ってるんだね〜。」

平太  「共由さん降りますよ。」

共由  「ああ、終わりましたか。では。」 
 
WC  階下。当主私室。

共由  「では、出ますか? 出るのでしたら、鍵をかけますが。」

平太  「はい、お願いします。」

サヤ  「ありがとうございました!」

平太  「そういえば、午後から次の当主を決めたりするんですか?」

共由  「はい。話し合いをもたれるようです。僕も出席しますが。 
紅簾の間が使えませんので、サルーンで行うことになると思います。 
…はやく、御前の遺体を弔って差し上げたいのですが…」

サヤ  「あの、その間って、私たちはやっぱり待機ですかね?」

共由  「え?」

WC  最後のひとことを独り言のように呟いていた共由は、サヤの言葉を聞き逃したようだ。

平太  「じゃあ、俺らは邪魔にならないようにしてますね。」

共由  「ええ。お願いします。」

サヤ  「話し合いって、私達は参加できないですよね。  
その間に例えば、長月館に行ってきたりは無理ですか?」

平太  「(しー!)」

共由  「外に出るのはかまいませんが、もし今日で決まる場合、立会人になっていただきますので、夜には帰ってください。」

サヤ  「分かりました!」

共由  「正直、決まるとも思えないのですが…」

サヤ  「そうですね。ちょっと心配です。」

平太  「じゃあ、邪魔になるから長月にいこう!」

サヤ  「まぁ、どうせ調査も残ってますからね。」

WC  そろそろ正午になる頃だろうか。 共由は、一礼して厨房に向う。

サヤ  部屋行って封筒を確認しますか?

平太  そうしよう! 
 
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