ロゴ

物語を創るTRPG ブログ 「システム編」(雨宮)


  1. オリジナルシステム

オリジナルシステム

私がTRPGを知ることになったきっかけは、「テーブルトークRPG入門」というそのものズバリなタイトルの本でした。今時のラノベ風なイラストが満載されているわけでもなく、SNEやFAERといったその道の有名どころによって刊行されているわけでもない地味極まりない本でしかも結構高価い。
そもそもライトノベルという言葉もなかった時代に、地方在住でTRPGなんてもの見た事も聞いたこともない小学校を卒業したばかりの子供がそんな本を手に取ることが異常な気もしますが、とにかく手にとってしまったのだから仕方がない。

良書でしたよ。ええ。
お決まりの「テーブルトークってどんな遊び?」という説明から入るんですが、その説明の中で、これもお決まりの「リプレイ」を載せてるんですね。このリプレイが、既存のシステムを使ったりしたものではなく、読者にTRPGを説明してゆく流れにそって、必要なシステムを『作ってゆく』形式だったのです。
はじめはキャラクターもシステムも何もありません。『自分で行動を決められる』というTRPGの骨子から入ります。そのうちに、『キャラクターの個性』の話が出てきます。性格や出自、得意なこと、苦手なことをキャラクターに与えてみよう、という中で『能力値を決める』システムが導入されます。
そして、実際のプレイの段になり、『判定』システムが導入される。といった具合です。
もちろん、導入されてゆくシステムは非常に単純なものです。
能力値なら『サイコロを2回ふって、<力>と<素早さ>を決めることにしましょう』、判定なら『サイコロを1個振って<すばやさ>の以下の目が出たら落とし穴をジャンプで越えられるとします』とか、その程度です。
ですが、この本は、『物語の作り手が、その物語に必要なルールを作ってゆく』ことも、TRPGの要素、それもとても面白い要素であると教えてくれたのです。

もちろん、その本の中ではいくつもの秀逸な既成システムについてもガイドしてくれていました。T&T、D&D、ルーンクエスト、クトゥルフの呼び声、ソードワールドRPG…どれもとても魅力的でした。想像したこともないような架空の神々、モンスター、魔法、職業…。その世界にどっぷりつかって自由に冒険できたらどれほどワクワクするだろう。

しかし、実際にシナリオを作ってみようと思ったとき、どこか窮屈に感じてしまったのも事実でした。自分の中にある「物語」は、どうしてもそのシステムの世界観とぴったり重なることがない。シナリオを書くときは、どうしても、「物語」の骨子をシステムの世界観に『無理やり押し込める』ような具合になる。

「どうしたらいいだろう?」と迷うことはありませんでした。
だって最初から、『物語の作り手が、その物語に必要なルールを作ってゆく』ことができるのが、TRPGだと教えられていたのですから。

…私の場合、大体、1つのキャンペーンシナリオを思いついた場合、そのシナリオにふさわしいシステムを作るところから始めます。実際プレイしてみて、これが面白かったり、プレイヤーに評判が良かったりした場合は、同じシステムで続編や同一世界観の別編をやったりします。ですが、基本1つのストーリー・世界観に対して1つのシステム、というスタンスです。

出来の良かったものもありますし、悪かったものもあります。
ここからは、繰り返し有象無象のシステムを作ってきた中で、なんとなく感じた『プレイヤーが物語を作りやすいシステム』について、整理してゆきたいと思います。

ということで、次回は、システム編②『ゲームバランス』に突っ込んでみましょう。

参照文献

サイト内検索

メルマガ登録

  • サークルからのニュースや、TRPGコンテンツを配信しています。

    ただいま期間限定で、「TRPGで少年少女の冒険物語を作る7つのステップ」をプレゼントしています。
  • 参加メールアドレス

    退会メールアドレス

Twitter

Web拍手